自転車の後輪スポークが折れた。まだ買って2年しか経ってないのに。しかもこれ、折れるの実は3回目。1回目は買って11ヶ月目。2回目と3回目(今回)は23ヶ月目。ちょっと折れすぎなので破断面を観察してみた。ちなみに折れたのはスポークのハブ側にある曲がった部分。スポークの材質は鉄(磁石にくっついた)。
なんだこれ・・・思っていたのと違うな。
上半分の白っぽいところは瞬間的に引きちぎられた部分。中央の穴が空いた茶色い部分は錆びた領域。でも、その下のグレーの部分と、更に下の黒っぽいきれいな部分はなんだろう?
まずは灰色っぽいところを拡大してみる。粒は小さいけど疲労破壊に特徴的なビーチマークが見当たらないなあ。あと、錆部分からヒビが内側に伸びている。うーん、錆びる->破壊->錆びる->破壊 を繰り返したのか?
次に黒っぽいところを拡大してみる。
いやほんとに、妙にきれいな表面である。表面の白い粉末はおそらく破断時に付着したもの。破断面の形状がなぜか三日月型なのが納得いかないし、またサビてもいないのも不思議。長期間存在したものなら中心部と同様にサビてたはず。結晶なら劈開とかあるけど、鉄でこのサイズの劈開なんてあるのか・・・?あと左下の異質な破断面もちょっと気になる。
次。上部の粒子が荒い部分。
この白い粒子ってなんだろうね?破壊時に生成した超多孔質状態の鉄?それとも、白点が立体化したもの?さっぱりわからない。
最後に。なぜ中心部がサビたのかを調べるため斜めから観察してみた。
確定だねえ。側面にヒビがある。スポークの曲げ加工をした際に、曲げ方向と直角方向にヒビが生じ、そこから水分が侵入して内部がサビたんだな。しかもこの角度からだと、サビた部分と黒い部分の間にリップルマークっぽいものも見える。サビを起点に疲労破壊が生じて破断部分が拡大し、最後に強度不足で引きちぎられたのかな。
なお、曲げ方向とヒビの位置関係は以下の通り。上図とは逆方向から撮ったものなので破断面の様子がちょっと違っている。破断面の黒かった部分は実は斜めの破断面だということもわかる。
過去に折れたものも製造時に生じたっぽいヒビがあったから、今回のスポークはきっとハズレロットなんだろうなあ。ということは、今後も折れまくるのか・・・。スポーク交換は自転車屋で一回8000円(大半がタイヤ外し・取り付けの工賃)と高いから、いっそ後輪を丸ごと交換してしまおう。